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マジョーレ湖の真珠 ~ジャンコクトーが名づけた「イゾラ3姉妹」
マッジョーレ湖に浮かぶ3つの小島「イゾラ3姉妹」は、
ジャンコクトーが名づけた「イゾラベッラ」(美しい島)「イゾラマードレ」(母なる島)
「イゾラ・ペスカトーレ」(漁師の島)。
ストレーザの町からすでに島影がみえている、三つの島からなる通称「ボロメオ諸島」です。
湖畔でポパイのようにたくましい船員のボートを調達しモーターボートに乗り込みます。

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「イゾラベッラ」(美しい島)は建築家アンジェロ・クリヴェッリが
手がけたもので島全体が一つの作品のよう。
緑に覆われ、随所に彫刻を配置した階段庭園を上リ詰めると、
かつてマジョーレ湖を領有していたボロメオ家のバロック趣味の宮殿があります。
白い孔雀の舞う幻想的な庭園には、ボロメオ家の紋章である一角獣が女神を控えて
今にも空を駆け上るかのようです。

ボロメオ家のシンボルとして、紋章に出てくるのが一角獣です。
これは、ビスコンティ家から分かれてできた家柄である事を示しているのです。
宮殿内に入ると、貝殻の装飾を施したグロッタ風のシュールな部屋は、
まるで深海に迷い込んだかのような不思議な空間。

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ボロメオ家というのは、ミラノを代表する名家で、大聖堂の正面祭壇下に
埋葬されている聖人は、カルロ・ボロメオです。
彼は黒死病の流行から町を救ったといわれ、以後伝染病の感染から
人々を守る聖人とされています。

「イゾラ・ペスカトーレ」(漁師の島)には漁民の集落があり、ジャンクな
土産物屋が軒を並べていて、ここだけは江ノ島にきたような親近感があります。

「イゾラマードレ」(母なる島)、此処は島全体が植物園のようで
豊富な植物が繁茂しています。

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優雅に横たわる3つのユートピアは人為的に創造された美の結晶、
まさしく「マジョーレ湖の真珠」と呼ばれるゆえんです。


■attention! 7月23日~8月5日まで、エジプト旅行のため
           ブログはお休みとさせていただきます。
          帰りましたらまた再開いたしますので、今後ともよろしくお願いいたします。
# by deTiTi-travel | 2009-07-23 13:56 | ヨーロッパ
靴の神様ロジェヴィヴィエに出会う
ヴァランスから程近いロマンは靴の生産地として名高い町で、市街の中心には立派な
靴博物館- Le Musee International De La Chaussure(ル・ミュゼ アンテルナショナル ドゥ ラ ショシュール)もあります。

靴の神様ロジェヴィヴィエに出会う_e0177769_17252395.jpg


当然私達は興味をそそられ、街を見て回ることのしたのです。
私たちが訪れた時は何かのお祭りのようで、田舎町が何故か多くの人でごったがえしていました。

その時遠くから、同行していた主人の名を呼ぶ声が聞こえます。「ヨウイチ・・・。」
こんな外国の町で日本人の名を呼ぶなんて空耳? と耳を疑って振り返ると、白髪の老人が・・・・
なんと「靴の神様」ロジェ・ヴィヴィエがこちらに向かって手を振っているではありませんか!
その混雑は、博物館での彼の展覧会オープニングパーティだったのです。

靴の神様ロジェヴィヴィエに出会う_e0177769_17254546.jpg


ロジェ・ヴィヴィエクリスチャン・ディオールのメゾンから独立して自身のメゾン(アトリエ)を設立し
1950年代から70年代を席巻しました。

エリザベス女王、女優のカトリーヌドヌーブなど往年のセレブリティに愛され、サルバトーレフェラガモ
並ぶ押しも推されぬ靴のデザイナーです。

靴の神様ロジェヴィヴィエに出会う_e0177769_17275935.jpg


私のパートナー永澤ヨウイチとの出会いは、彼の恩師である同じく靴のデザイナーで名を馳せた熊谷登喜男がロジェ・ヴィヴィエを心から尊敬しており、80年代半ば当時、既に引退したかのようなロジェ・ヴィヴィエを復活させようと試み、熊谷氏が彼のメゾンに足しげく通ったことからたことがきっかけとなります。
そして当時パリで熊谷氏の唯一のアシスタントとして従事していた永澤も、ロジェ・ヴィヴィエの知るところとなるのです。

靴の町で靴の神様に出会うなんて、なんという嬉しい偶然!
久しぶりの再会に時を忘れて語り合い、この巡り会いに感謝しながら帰路に就いたのでした。

その数年後、ロジェ・ヴィヴィエは98年に逝去。
今も彼の名は受け継がれ世界中で愛用されているのです。
# by deTiTi-travel | 2009-07-20 18:43 | ヨーロッパ
フランスの片田舎で味わう空想の世界旅行 ~ファクター・シュヴァルの理想郷~
今週に入り東京の梅雨も明け、急に夏本番です。
いつもはワイン派のフランス人も、このシーズンになるとのど越しの良いビール派に転身し、
オープンカフェでパナシェやモナコを片手にサマータイムの暮れない夜を楽しんでいます。
パナシェというのはビールをレモネード、モナコはフランボワーズで割った、
カラフルで目にも鮮やかなビア・カクテルです。
バカンスを前にうきうきした気分も高まり町中が浮足立つ、私の大好きな季節です。

そんなうきうきした気分を満喫するバカンスといえば南仏です。
ニースやカンヌなどのリゾート地をイメージする人が多いと思いますが、
今回はオートリーヴという田舎町にある不思議な宮殿をご紹介いたします。
フランスの片田舎で味わう空想の世界旅行 ~ファクター・シュヴァルの理想郷~_e0177769_23342116.jpg

オートリーヴの駅からでこぼこ道を車で30分揺られ着いた先に現れたのは、
想像以上の大きさと迫力を持ったファンタジーの世界。
一人の郵便配達夫が、石ころを集めてたった一人で34年の歳月を費やし、
自らの手で築いた理想の宮殿です。
彼、ファクター・シュヴァルは、1876年オートリーヴにほど近い
シャルムという小さな町に農夫の子として生まれます。
建築のプロフェッショナルでもなく、また町を一歩も出たこともなかったという
しがない郵便配達夫が34年かけて信じられないことにたった一人で建てたと言われる
ファンタジー圧倒的なファンタジーの世界。
巨大な聖者、マリア、象やだちょうやヒョウ、くじゃくなど多くの動物の他に、
アンコールワットのような神殿やモスクなどあらゆる様式や生き物が
織り交ざっているのですが、1つ1つがなんとも微笑ましく、
それでいて1つの造形美としてハーモニーを描き出している光景は、感動的でさえあります。
彼は、毎日三十キロもの徒歩での配達で、絵はがきの中の
世界各国モニュメントや城などを目にしていくうちに、彼の空想の中での
理想郷をつくりあげたのでしょう。

有機的なモチーフである自然の造形を取り入れ、独自の世界観を作り上げている面で
ガウディを思い起こしますが、建築家の彼が計算された設計の上で表現しているのに対して
シャヴァルは子供のような無垢な感性でこの「おとぎの国」を作ってしまったのですね。
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始めは荒唐無稽なことと笑っていた町の人々も完成を迎えると、
その見事な出来栄えをを見て町のシンボルに、と国に取り上げられてしまうのです。
シュバルは、自分の作った城を夫婦の安住の場所にしたいと考えていたのですが、
それが叶わなくなり、改めて8年を要して新たな場所に妻との2人の墓を作り、
88歳で幸福な人生を終えて、現在も安らかにそこに眠っています。
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シュヴァルの没後1930年に入って、今やシュールレアリズムの先駆者と呼ばれている
詩人・アンドレ・ブルトンが訪問し、「宮殿」を賞賛して詩を作成したと言われています。
# by detiti-travel | 2009-07-17 21:10 | ヨーロッパ
旅することは生きること☆
私の旅行好きの原点は、幼い頃繰り返し読んだ童話に描かれた世界への
強い憧憬の思いによるものと思うのです。

ルイ14世に仕えたシャルル・ペローの「眠れる森の美女」
「シンデレラ]「長靴を履いた猫」の古城。
旅好きのアンデルセンが描いた「人魚姫」の夜会服で集う華やかな船上晩餐会。
オスカー・ワイルドの無償の愛を描いた「幸福な王子」ではツバメが運ぶ金箔、サファイア、
ルビーの輝きがむしろ哀愁をそそるのです。

お気に入りはベルベットスーツをの流行を生んだ「小公子」の
フランシス・ホジソンバーネットの「秘密の花園」。
イギリス植民地時代のインドからはじまるのですが、物語の急展開で舞台は
イギリス・ヨークシャーの屋敷に移り秘密の庭の物語が始まります。
ヨーロッパ・ブルジョワとコロニアルな香り、大きな屋敷と庭園・・・。
物語にはお城や教会、金銀の調度品など胸の高鳴る私の創造の
世界を広げていくのでした。


大人になってからはそういう空想を澁澤 龍彦の本で垣間見ることになります。
彼の本で紹介されてあるロケーションは、ノスタルジックでシュールで
私が長年思い描いていた空想の世界は旅をすることで享受される事を知りました。

見たい、知りたい、触れてみたい。写真で見ていても始まらない・・・。
探究心の塊の私は、気がつけば随分多くの地を訪れてきました。
かれこれ30カ国100都市くらいになるでしょうか。
色も空気も、文字も、言葉も食も装いも違う異文化との出会いは驚きの連続。
骨にしみこむ程の体感を味わいながら、同時にどこかバーチャルな疑似体験も
味わえるのだから、旅というのは面白いものです。

「日出ずる国」の日本と対照的に、「陽の沈む国」と呼ばれるモロッコ。
マラケシュでは、コーランの響きと夕日で赤く染まるジャマエルフナの巨大スークが
「アラビアンナイトの世界」へといざないます。
オートアトラスを越えると砂漠の要塞カスバ、いよいよ憧れの映画「アラビアのロレンス」や
「スターウォーズ」「シェルタリングスカイ」の舞台ワルザザートのどこまでも続く砂漠は
やがて全てを飲み込む砂丘に変わるのでした。

旅にテーマをつけてプランするのも疑似体験をよりグレードアップさせるコツ。
例えば「島」をテーマに楽しむパマリカン島のアマンプロなら、専用飛行機で007のように
スタイリッシュな「ワン・アイランド・ワン・リゾート」の旅を味わえます。
ロマンチックにユートピアを求めるならイタリア湖水地方に浮かぶ島めぐりがお勧め。
ジャンコクトーが名づけたというその島は、マッジョーレ湖に浮かぶ3つの小島
「イゾラベッラ」(美しい島)「イゾラマードレ」(母なる島)「イゾラ・ペスカトーレ」(漁師の島)。
「イゾラ3姉妹」の異名を持っています。
優雅に横たわる3つのユートピアは人為的に創造された美の結晶と言えるでしょう。
足を運んだものにしか味わえない感動が待っています。
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「旅することは生きること」「旅こそ我が人生」
アンデルセンの言葉ご存知ですか。

私にとっての旅も一期一会の出会いに歓喜して体感した世界はまさに人生そのもの。
それぞれの思い出は一つ一つ宝石の様に美しく輝いています。

そんな思い出を宝石を眺めるように綴ってみようと思います。
# by detiti-travel | 2009-07-13 21:05 | 序章



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TiTi(ティティ)
八巻多鶴子。東京生まれ。
85年よりトキオクマガイ
などのアタッシュドプレスを経てファッションデザイナー
永澤陽一のパートナー
としてパリコレクションを
発表するかたわら、代表
取締役として数々の
ブランドプロデュースにも
携わる。
2006年12月にジュエリーブランド「deTiTi」を発表。同年、宝石界の権威
GIAが認定「JAIPUR JEWELRY SHOW」に
日本人初の招待デザイナーとして出展。最も優秀な
ブースとして表彰される。
2008年青山に「deTiTi」の
初の路面店をオープン。
洋と和、伝統とモダンを
融合した手仕事による
逸品のほか、造詣の深い
和装小物も手掛ける。

■deTiTi ウェブサイト
www.titi-kt.com
■TiTi の日常を綴った
華麗なるジュエリーデイズ
■deTiTi 雑誌掲載
Press News deTiTi

■deTiTi 過去ブログ記事
http://detiti.blog21.fc2.com/


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