私の旅行好きの原点は、幼い頃繰り返し読んだ童話に描かれた世界への
強い憧憬の思いによるものと思うのです。 ルイ14世に仕えたシャルル・ペローの「眠れる森の美女」 「シンデレラ]「長靴を履いた猫」の古城。 旅好きのアンデルセンが描いた「人魚姫」の夜会服で集う華やかな船上晩餐会。 オスカー・ワイルドの無償の愛を描いた「幸福な王子」ではツバメが運ぶ金箔、サファイア、 ルビーの輝きがむしろ哀愁をそそるのです。 お気に入りはベルベットスーツをの流行を生んだ「小公子」の フランシス・ホジソンバーネットの「秘密の花園」。 イギリス植民地時代のインドからはじまるのですが、物語の急展開で舞台は イギリス・ヨークシャーの屋敷に移り秘密の庭の物語が始まります。 ヨーロッパ・ブルジョワとコロニアルな香り、大きな屋敷と庭園・・・。 物語にはお城や教会、金銀の調度品など胸の高鳴る私の創造の 世界を広げていくのでした。 大人になってからはそういう空想を澁澤 龍彦の本で垣間見ることになります。 彼の本で紹介されてあるロケーションは、ノスタルジックでシュールで 私が長年思い描いていた空想の世界は旅をすることで享受される事を知りました。 見たい、知りたい、触れてみたい。写真で見ていても始まらない・・・。 探究心の塊の私は、気がつけば随分多くの地を訪れてきました。 かれこれ30カ国100都市くらいになるでしょうか。 色も空気も、文字も、言葉も食も装いも違う異文化との出会いは驚きの連続。 骨にしみこむ程の体感を味わいながら、同時にどこかバーチャルな疑似体験も 味わえるのだから、旅というのは面白いものです。 「日出ずる国」の日本と対照的に、「陽の沈む国」と呼ばれるモロッコ。 マラケシュでは、コーランの響きと夕日で赤く染まるジャマエルフナの巨大スークが 「アラビアンナイトの世界」へといざないます。 オートアトラスを越えると砂漠の要塞カスバ、いよいよ憧れの映画「アラビアのロレンス」や 「スターウォーズ」「シェルタリングスカイ」の舞台ワルザザートのどこまでも続く砂漠は やがて全てを飲み込む砂丘に変わるのでした。 旅にテーマをつけてプランするのも疑似体験をよりグレードアップさせるコツ。 例えば「島」をテーマに楽しむパマリカン島のアマンプロなら、専用飛行機で007のように スタイリッシュな「ワン・アイランド・ワン・リゾート」の旅を味わえます。 ロマンチックにユートピアを求めるならイタリア湖水地方に浮かぶ島めぐりがお勧め。 ジャンコクトーが名づけたというその島は、マッジョーレ湖に浮かぶ3つの小島 「イゾラベッラ」(美しい島)「イゾラマードレ」(母なる島)「イゾラ・ペスカトーレ」(漁師の島)。 「イゾラ3姉妹」の異名を持っています。 優雅に横たわる3つのユートピアは人為的に創造された美の結晶と言えるでしょう。 足を運んだものにしか味わえない感動が待っています。 「旅することは生きること」「旅こそ我が人生」 アンデルセンの言葉ご存知ですか。 私にとっての旅も一期一会の出会いに歓喜して体感した世界はまさに人生そのもの。 それぞれの思い出は一つ一つ宝石の様に美しく輝いています。 そんな思い出を宝石を眺めるように綴ってみようと思います。
by detiti-travel
| 2009-07-13 21:05
| 序章
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TiTi(ティティ)
八巻多鶴子。東京生まれ。
85年よりトキオクマガイ などのアタッシュドプレスを経てファッションデザイナー 永澤陽一のパートナー としてパリコレクションを 発表するかたわら、代表 取締役として数々の ブランドプロデュースにも 携わる。 2006年12月にジュエリーブランド「deTiTi」を発表。同年、宝石界の権威 GIAが認定「JAIPUR JEWELRY SHOW」に 日本人初の招待デザイナーとして出展。最も優秀な ブースとして表彰される。 2008年青山に「deTiTi」の 初の路面店をオープン。 洋と和、伝統とモダンを 融合した手仕事による 逸品のほか、造詣の深い 和装小物も手掛ける。 ■deTiTi ウェブサイト www.titi-kt.com ■TiTi の日常を綴った 華麗なるジュエリーデイズ ■deTiTi 雑誌掲載 Press News deTiTi ■deTiTi 過去ブログ記事 http://detiti.blog21.fc2.com/ カテゴリ
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